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人とは何者か?

T・オースティン-スパークス

第十一章 御霊ご自身

これまで人の霊について多くのことを述べてきました。しかし、語れることを語り尽くしたとしても、聖霊に完全な地位を与えない限りどうにもなりません。神の霊がなければ、完全に組み立てられて調整された人といえども、動力のない精密機械のようなものにすぎません。神の霊は「いのちの霊」、「光」、「真理」、「知恵」、「恵み」、「祈り」、「力」、「理解力」であり、実にキリスト・イエスにあって私たちに与えられている神のすべてです。聖霊はご自身と同じ次元に属す器官(霊)を人の中に持つことを必要とされます。しかし、動物の命がなければ体は機能できないように、この器官は聖霊がなければ神の事柄に関して少しも機能できません。人の霊の性質と機能を十分認識したからには、私たちは常に注意して、私たちの霊を生活の中で支配的な要素としなければなりません。私たちは自分の霊に耳を傾け続けるのではありません。そんなことをすれば深刻な危険に陥るでしょう。私たちは自分自身の霊の中に生きるのではなく、「キリストの中に住」まなければなりません。神の子供にとって、聖霊は人の霊の中に宿る神聖な方です。聖霊が私たちの生活を導き、治めてくださいます。主ご自身から離れているものを私たちの控訴院や生活圏にするなら、混乱や混同を避けられないでしょう。真に豊かな生活のために決定的に重要なことが、聖霊に関していくつかあります。その一つは、御霊の油塗りと働きの団体的性質です。これについては他の書物で扱ったので、ここでは言及するだけにします。しかし、遠大で、すべてを包括するとも言える重要な点は、この経綸時代における聖霊の最高の目的です。それは――キリストをすべてのすべてとすることです。

ペンテコステは、天で起きたことを(教会である)地上の男たちや女たちの中で実際のもの、真実のものとするための天からの動きでした。天でキリストは神の右手に上げられて、「栄光と誉れの冠」を受けられました。「万物」が「彼の足の下」にされました。彼は神の御思いと御旨に全くしたがっている人の模範として座されました。この高揚と着座は、人に対する神のすべての取り扱いで、支配的現実とならなければなりませんでした。神の御子のかたちへの同形化が、信者に対する神の実際的関係をすべて動機づけなければなりませんでした。新生から栄化に至るすべてのものが、キリストをその力、その性質、その目標としなければなりませんでした。彼が、彼だけが、生活、存在、奉仕のための手段でなければなりませんでした。彼ご自身の地上生活に適用された神に関する原則は、彼の高揚以降、彼に関するすべてのものにも適用されなければなりませんでした。「自分からは何もすることができません」(ヨハネによる福音書五章一九節)が、彼のすべての動き、働き、言葉、時、方法の厳格な法則でした。御父が願いを示されるとき、ご自身の進路を速やかに変更できなくするものに、彼は決してご自身を委ねようとされませんでした。彼は評判や世論を全く気にされませんでした。どこにいても、御父の御旨と道があらゆることで彼の生活を支配したのです。これは大いなる「~と同じように(even as)」であり、彼ご自身と後の彼の者たちの両方を含んでいました(ヨハネによる福音書一五章一〇節、一七章一六節など)。

これら一切のことのために――あらゆる道や動機の中にある自己に属するものをすべて取り除き、キリストを絶対的な主として王座につかせるために――聖霊は来臨されたのです。魂は人のエゴの座であり、霊は復活・昇天したキリストの聖所です。彼はそこで、私たちの内にある個人的なものをすべて治めなければなりません。それはすべてのことで彼が第一となるためです。これがすべてを包括する聖霊の働きです。

「こういうわけで、私は父に向かってひざをかがめます。(中略)どうか父が、その栄光の豊富にしたがい、力をもって、その霊を通して、あなたたちを内なる人の中で強めてくださいますように。また、キリストが信仰を通して、あなたたちの心の中に住んでくださいますように。またあなたたちが、愛の中に根ざし土台づけられて、すべての聖徒たちと共に、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、知識を超越したキリストの愛を知ることができますように。また、あなたたちが満たされて、神の全豊満へと至りますように。」(エペソ人への手紙三章一四~一九節)

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